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ジョンディア、狭小・低空間向けの新型「5EN」トラクターシリーズを発表 — ぶどう園や果樹園、ハウス向けに最適化

ジョンディア、狭小・低空間向けの新型「5EN」トラクターシリーズを発表 — ぶどう園や果樹園、ハウス向けに最適化

ジョンディアは、ぶどう畑や果樹園、温室、伝統的な集落農地など、狭く低いクリアランスでの作業に特化したコンパクトな新シリーズ「5EN」を発表しました。欧州市場を主眼に置いた設計ですが、日本の小規模・特殊作物圃場にも有用な設計になっています。ここでは主要スペックの整理と、現場目線でのポイントを解説します。

目次

5ENシリーズの要点(モデルと寸法)

シリーズは5075EN、5090EN、5105ENの3モデルで構成され、ホイールベースは1,950mmまたは2,250mm、作業幅は1.35〜1.70mと非常にスリムです。特に5075ENは狭列に強く、ぶどうや密植果樹の通路でも高い機動性を発揮します。

エンジンと排気後処理(燃費・運用面のメリット)

2.9Lおよび4.5LのPowerTechエンジンを採用し、最大で106馬力を発揮します。燃費効率に配慮されており、尿素(DEF)仕様については5075ENは不要、より大きなモデルでもDEF消費はわずか約3%に抑えられています。DEFを使わない・少なくて済む設計は、狭小現場での補給頻度低減や維持管理の簡素化に直結します。

トランスミッションと低速制御

おなじみのPowrReverserトランスミッションが選択可能で、12×12または24×12の構成があります。工場装着のクリーパーギアにより、0.3km/hまでの超低速作業が可能で、苗の植え付けや丁寧な収穫作業、精密な棚下作業に適しています。

リフト能力と実装作業性

  • 後部リフト最大約2.4トン、前部リフト約1.4トンを確保
  • 電子式ヒッチコントロールにより、実装機の高さや作業姿勢を細かく調整可能
  • フェンダー上の操作系でフィールドでの調整がしやすい設計

これにより、ブーム型散布機や小型耕うん機、収穫アタッチメントなど多様な高負荷実装の運用に対応します。

操縦席設計と安全・快適性

5075ENはオープンステーションとキャブの両タイプを用意しています。オープンは出入りが容易な設計で、独立した床フレームや操作系の人間工学的配置、8インチのデジタルディスプレイを備えます。前方転倒保護(フォールダブルROPS)も採用しており安全性を確保します。

キャブ仕様はパノラマドア、改良コンソール、標準でエアコンを装備し、オプションでCategory 4のフィルトレーションを選べます。粉塵や薬剤ミストが多い作業環境でも内部空気質を高められるため、散布作業や密閉ハウス内作業で有益です。

精密農業機能(テレマティクスと自動操舵)

5EN全機にJDLinkが標準対応し、G5ディスプレイにより遠隔アクセスや作業計画、フリート管理が可能です。AutoTrac Universal 300にも対応し、オープンステーションのトラクターでも0.5km/hからの自動操舵が機能します。高額作物の列管理やシード・肥料の精密作業で、位置精度を高めて資材ロスや人的負担を低減できます。

耐久性と保守性

金属製フェンダー、燃料タンクのプロテクション、オプションのアンダーボディ保護など、物理的な耐久性が強化されています。整備面では500時間ごとのサービスインターバルが公表されており、定期保守の計画が立てやすく、稼働率向上に寄与します。

現場でのメリット・導入検討ポイント

営農法人や集落営農、個人経営の果樹園・ぶどう園にとっての主な利点は次の通りです。

  • 狭列対応の機動性で収穫・刈取・棚下作業の効率化が可能
  • 低速での精密作業とAutoTrac連携により作業精度が向上し、資材・時間の削減につながる
  • DEF不要または低使用量で燃料後処理コストと補給負担が軽減される
  • JDLinkやG5で複数台の管理・遠隔監視ができ、集約運用や委託作業の効率化に貢献する
  • キャブのフィルターオプションは散布作業時の労働安全性向上に有利

導入時は、既存のアタッチメント互換性、トラクター幅と畦幅の適合、AutoTracやテレマティクスを活用した運用フローの整備(地図データ、作業者教育)を確認することをおすすめします。また、狭小地では後輪・前輪のトレッド調整やタイヤ選定も重要になります。

まとめ

ジョンディアの5ENシリーズは、コンパクトなボディに堅牢な仕事能力と最新のデジタル機能を備えた、特殊作物向けに最適化されたトラクターです。狭列や低クリアランスの環境で高精度作業を求める営農者や、複数圃場を管理する営農法人にとって有力な選択肢となるでしょう。実際の導入にあたっては、現場での幅・高さの制約、既存機械との親和性、テレマティクス運用の計画をしっかり検討することが成功の鍵になります。

詳しい情報や仕様の確認、導入相談はジョンディアの公式サイトをご参照ください(www.deere.com)。

詳しい記事の内容はこちらから(引用元)

ジョンディア、狭小・低空間向けの新型「5EN」トラクターシリーズを発表 — ぶどう園や果樹園、ハウス向けに最適化
https://www.agritechmag.com/news/103983-john-deere-expands-specialty-farming-options-with-new-5en-tractor-series

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