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ジョンディア、新型フォワーダー「1610G」を発表 — 高容量・高出力で伐採現場の生産性を向上

ジョンディア、新型フォワーダー「1610G」を発表 — 高容量・高出力で伐採現場の生産性を向上

農機・林業機械メーカーのジョンディア(John Deere)が、Gシリーズの新たな一員として高容量フォワーダー「1610G」を発表しました。16トンの積載能力と6.1m²の大型荷台、社内開発の高出力エンジンを搭載し、下記のような現場ニーズに応える設計となっています。荒れた地形や深雪、間伐から造林伐採まで幅広い作業で効率を高めることを目指したモデルです。

目次

主な特徴(ポイント)

  • 積載能力:16トンクラス(モデル名 1610G)
  • 荷台容量:6.1m²、1510G比で約15%の容量増
  • エンジン性能:社内開発エンジンで出力14%向上、牽引力(トラクティブフォース)11%増
  • 地圧(接地圧):1510Gと同等。積載増加でも地盤負荷は増えていない設計
  • ブーム:標準でCF7S XI Power+、新世代の10mエクステンション(内蔵ホース)
  • 自動化オプション:IBC 3.0(作業段階間の移行を滑らかにする自動機能)
  • キャビン:回転・水平化機構採用、振動抑制システムで操作者の負担を軽減
  • 互換性:既存Gシリーズとの操作性・整備性を維持、1270Hハーベスターとの連携が容易

現場での効果:「より多く・より速く」を実現

ジョンディアは、1610Gによって長期的に年間最大約2,000トンの追加搬出が可能になると試算しています(メーカーベースのサンプル計算:1積載/時、稼働2,000時間/年)。この数字は、積載容量の増大とエンジン出力・牽引力の向上により1回あたりに運べる材積が増え、作業サイクルが改善される点に依ります。重要なのは、同社が“輸送や人件費の増加なしで”という前提を示していることで、既存のトラックや運搬計画をそのまま活かしながら現場生産量を上げられる可能性があるということです。

荷台の可変性と運用性

1610Gの荷台は「可変構造」を採用しており、間伐現場では狭く機動的に、造林伐採では最大容量で運用するなど、作業種別に応じた使い分けが可能です。加えて統合型の仕分け(ソーティング)システムにより、路側での材種・寸法ごとのハンドリングが迅速化され、積替え・搬出の流れが滑らかになります。これにより路側での滞留時間が短縮され、トータルの生産性が向上します。

ブーム性能と自動化の役割

標準装備のCF7S XI Power+ブームは同クラスで最も強力な部類に入り、新しい10m伸長部(内蔵ホース)は信頼性と耐摩耗性を高めています。密林や間伐での繊細な操縦を支えるだけでなく、オプションのIBC 3.0は作業段階の移行を自動化して作業効率をさらに高めます。間伐作業での細かな材取りや位置決めが多い現場では、こうした自動化が作業時間短縮に直結します。

操作者のためのキャビン設計

回転および水平化機構を持つキャビンは視界確保と姿勢保持に優れ、凹凸の多い地形でも安定して作業できます。さらに高性能ダンピングにより振動が抑えられるため、操作者の疲労低減に寄与します。長時間稼働するはたらく車では、こうした人間工学的配慮が作業品質と安全確保に直結します。

既存機との互換性とデータ連携

機体寸法は従来のGシリーズとほぼ変わらないため、輸送や現場搬入に特別な変更を要しません。特に新しい1270Hハーベスターとの組合せが想定されており、機間データ転送がスムーズに行えることから、伐採計画や現場の意思決定に必要な情報を効率的に共有できます。これは今後のスマート林業、つまり機械間連携と遠隔管理の基盤づくりに資するポイントです。

農業・アグリテック視点での示唆

本機は林業向けですが、農業現場の大型機械運用やスマート化と共通する示唆を与えます。具体的には:

  • 機械の積載効率向上と作業自動化は、トータルの生産性を大きく改善する点
  • データ連携(機間通信、テレマティクス)は、複数機種での共同運用や工程最適化に有効である点
  • 地盤負荷を抑えつつ積載容量を増やす“設計の工夫”は、圃場や山林の保全という観点でも重要である点

営農法人や自治体が同様の考え方を導入すれば、重機導入の評価基準(ROIや土壌・林地への影響、オペレータワークロード)をより詳細に設計できます。

導入時の留意点と次のステップ

  • 購入・導入コストとランニングコスト(燃料、整備、部品供給)を事前に確認すること
  • 国内販売時期、正規ディーラーのサービス網や部品供給体制を確認すること
  • 現場試運転やデモ導入で、実際の積載サイクル・走破性・燃費を計測し、メーカー試算と比較すること
  • オペレータ教育と安全対策の計画(回転キャビンや自動化機能の運用ルール)を整備すること
  • 既存の運搬計画・トラック容量・路網条件との整合性を検証すること

まとめ

ジョンディアの1610Gは、従来のGシリーズが持つ扱いやすさを踏襲しつつ、積載容量と出力を高めたことで、伐採現場の生産性向上に直接貢献する設計になっています。特に間伐と造林伐採の両方に対応できる汎用性、機間データ連携のしやすさ、操作者に配慮したキャビン設計が目を引きます。導入を検討する際は、現場条件と運用計画を踏まえた実測による評価と、ディーラーとの連携が重要です。

詳細はジョンディア公式サイトをご確認ください:www.deere.com

詳しい記事の内容はこちらから(引用元)

ジョンディア、新型フォワーダー「1610G」を発表 — 高容量・高出力で伐採現場の生産性を向上
https://www.agritechmag.com/news/103554-john-deere-introduces-high-capacity-1610g-forwarder

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