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【新農業プロジェクト】株式会社INGEN、秋田県にかほ市より企業誘致認定を取得 / 日本農業新聞

株式会社INGENが秋田・にかほ市の企業誘致認定を取得 「骨太リーフマン」で産地リビルドを加速

公開日:2025年(掲載元:日本農業新聞の情報をもとに作成)

アグリテック分野で注目を集める農業スタートアップ、株式会社INGEN(本社:千葉県松戸市、代表取締役:櫻井杏子)が、秋田県にかほ市より企業誘致認定を取得しました。INGENは「収穫予測 × 収益補完作物のアップデート」を軸に、契約出荷による安定収益モデルを目指す取り組みを進めています。本件は、秋田での産地化実証を経て、本格的に広域販路と生産者支援を強化する一手です。

目次

骨太リーフマン(ソフトケール)とは何か

INGENが主軸に据える「骨太リーフマン(ソフトケール)」は、従来のケールのイメージを変えることを目指した新しい葉物カテゴリーです。特徴は主に次の通りです。

  • 栄養豊富:開発元・株式会社増田採種場の特許(特許第6440879号)に基づく品種を正式ライセンスで導入しており、代表検体の平均値としてカルシウム245mg/100g、GABA20mg/100gを確認(数値は保証値ではありません)。
  • 苦くない・やわらかい:従来のケールに見られる強い苦味やえぐみが少なく、葉質も柔らかいため生食・加熱の双方に向きます。
  • 時短野菜:下茹で不要で調理時間が短縮できる点が、外食・中食・忙しい消費者に訴求します。
  • 通年価値型:季節変動で品質が安定しにくい葉物と比較して、通年で価値を保ちやすいことを目指しています。

産地化に向けた栽培管理と現場対応

INGENは秋田の気候に合わせ、品質を安定させるための栽培基準を整備しています。具体的には次のような技術的・管理的対策を進めています。

  • 施肥設計の最適化による栄養管理の明確化
  • 夏季の遮光管理(秋田では従来一般的ではない手法)による高温期の品質維持
  • 生育ステージごとの苦味低減管理の導入

これらの基準は生産者と協働で運用され、品質管理と技能伝承が産地化の鍵になります。

「産地リビルドプロジェクト」:地域内評価市場で品質改善の循環を作る

INGENとにかほ市内のまちづくり企業(株)ロンドは、地域内の小売・飲食店を結ぶ「地域内評価市場」を整備しています。従来の県外出荷では消費者や売り場からの評価が伝わりにくく、品質改善のインセンティブが弱くなりがちでしたが、地域内の近距離フィードバックにより農家が迅速に改善を行える環境をつくり、自立した産地チームの形成を目指しています。

このモデルは飲食・小売・観光を巻き込み、地域での「稼ぐ力」を育てる新しい産地づくりとしての拡張が期待されています。

主要作物と補完作物の並行契約モデル

INGENは骨太リーフマンを「収益補完作物」と位置づけ、主要作物(例:水稲、ねぎ、花き)と組み合わせることで経営の安定化を図るモデルを提案しています。要点は次の通りです。

  • 補完作物は単価を固定しやすく、収益の底を作る役割を果たす。
  • 主要作物は量の確保により収益の柱となる。
  • 並行契約により「単価の安定 × 量の安定」を実現し、若手農家の継続経営を支援する。

アグリテック側から見た示唆(営農管理者・農機メーカー・自治体向け)

本プロジェクトは農業とIT・機械技術が協働する余地が大きく、次のようなポイントで業務効率化や品質管理の高度化が期待できます。

  • 収穫予測と計画出荷:センサーデータ、リモートセンシング、ドローン計測、気象データを組み合わせたAIモデルで収穫時期と量を高精度に予測することで契約出荷の信頼性が向上します。
  • 品質管理とトレーサビリティ:生育ステージ別の苦味管理や遮光などの作業をデジタルで記録・管理することで、出荷先への品質説明と改善サイクルが効率化します。
  • 自動化・省力化の導入余地:播種・定植・間引き・収穫・出荷前検品など、部分的な自動化や半自動プロセス導入が若手農家の労働負荷軽減に貢献します。特に小規模多品目の複合経営では汎用的な小型機の活用が有効です。
  • 地域内評価市場のデジタル化:店舗からのフィードバックをリアルタイムに生産者へ届けるプラットフォームや、需要側の販売データを生産計画へ反映させるスマートサプライチェーンが価値を持ちます。

今後の展開と参加の呼びかけ

INGENはにかほ市をモデル地域として、2025年度は県内生産・流通基盤の整備とともに、秋田市・東京都・関東圏の需要市場での販売検証と販路開拓を強化する予定です。また、秋田県で野菜生産技能がまだ十分に普及していない点を踏まえ、地元生産者・JAと連携した技能講習会を整備し、若手生産者の早期経営安定化と地域の複合経営モデルの確立を目指します。

この取り組みは、次のような関係者にとって参画の余地があります。

  • 小売・外食/中食企業:通年で集客できる野菜を取り入れたい企業、契約型で若手農家育成に関わりたい企業。
  • 生産者(農家):主要作物に加えて収益補完作物で経営リスクを低減したい生産者、計画出荷に基づく安定した売上を目指す生産者。
  • 農機メーカー・アグリテック事業者:収穫予測、ドローン・センサー、品質管理ソリューションで産地づくりに貢献したい事業者。
  • 自治体・支援機関:地域産業の再生と若手の定着を支援する施策を検討する担当者。

現場責任者への実務的な提言

にかほモデルや類似の契約出荷型産地に参画を検討する現場責任者には、次の点を優先的に検討することをおすすめします。

  • 栽培基準の確認とトレーニング計画:遮光・施肥・苦味管理など新しい作業工程の習得計画を作成する。
  • データ連携体制の構築:収穫予測に必要な気象・生育・収量データの取得手段(センサー、ドローン、スマホ入力)を明確にする。
  • 契約条件の整理:価格、品質基準、納期、ペナルティや改善支援の内容を事前に確認する。
  • マーケティング連携:地域内評価市場や外部販路での販売戦略、試作メニューのフィードバックループを設計する。

お問い合わせ

本プロジェクトや参画に関する問い合わせは、株式会社INGENの公式窓口から受け付けています。関心のある生産者・小売・外食企業・アグリテック事業者の方は、まずは相談されることをおすすめします。

株式会社INGEN お問い合わせページ

本記事は株式会社INGENのプレスリリース(日本農業新聞報道等)を基に作成しています。栄養成分の数値は代表検体の平均値であり保証値ではありません。導入や栽培に際しては実地検証・契約条件の確認を行ってください。

詳しい記事の内容はこちらから(引用元)

【新農業プロジェクト】株式会社INGEN、秋田県にかほ市より企業誘致認定を取得 / 日本農業新聞
https://www.agrinews.co.jp/news/prtimes/346227

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