スマート農業で野菜のサプライチェーンを考えるセミナーが鳥取大学で開催(12月19日)
北海道大学スマート農業教育拠点と鳥取大学が共催する「スマート農業を活用した野菜のサプライチェーンセミナー」が、2025年12月19日(金)に鳥取大学Tottori uniQ(旧広報センター)で開催されます。スマート農業機器やAIの実装事例、流通連携に関する研究成果を共有し、現場と流通を結ぶ実践的な議論が行われます。営農法人や集落営農の経営者、現場管理者、自治体や農機メーカーの技術担当者にとって、現場導入のヒントが得られる場です。
開催概要(要点)
- 日時:2025年12月19日(金)10:00〜15:30(9:30開場)
- 会場:鳥取大学 Tottori uniQ(鳥取市湖山町南4丁目101)2階 スペースC・E・F
- 参加:午前の講演は先着80名、午後の展示・トークセッションは定員制限なし
- 申込:北海道大学スマート農業教育拠点のホームページから受付(詳細・申込ページをご確認ください)
- 主催:北海道大学スマート農業教育拠点、鳥取大学農学部、鳥取大学技術部
プログラムの見どころ
午前:講演セッション(実践と研究の接点)
- ヤンマーアグリジャパン 玉井資郎氏:「ブロッコリー機械化一貫体系について」— 機械化による省力化と品質確保、ハーベスターや定植機の現場適応について具体的事例紹介があります。
- 鳥取大学農学部 松村一善教授、鳥取県西部総合事務所 農林局 淺尾悠介氏:地域の営農支援や実装に関する視点を共有します。
- 名古屋産業科学研究所 鈴木剛氏:「農産物のサプライチェーンを支えるスマート技術について」— 流通連携やトレーサビリティ、データ活用の仕組みについて研究成果を紹介します。
午後:展示とトークセッション(現場で「触れる」「聞く」)
現場導入を想定した機材展示と、農家と研究者による実践的なトークが予定されています。
- 展示機器(出展例)
- ヤンマーアグリジャパン:ブロッコリー収穫機「HB1250」— 収穫作業の効率化と作業負担軽減を狙う大型収穫機。
- ヤンマーアグリジャパン:乗用全自動野菜移植機「PW200R」— 定植の自動化で作業スピードと均一性を向上。
- NTT e-Drone Technology:ドローン「AC102」— 撮影・散布・点検などフィールドでの多用途運用を想定。
- farmo:環境モニタリングシステム— ハウス内外の環境データ取得と見える化で生産管理を支援。
- トークセッション
- つじ農園(辻武史社長)と名古屋産業科学研究所 鈴木剛氏による座談会「農家がAIを使ってみた!」— 現場でのAI適用の実体験や導入時の課題、成功・失敗例の共有。
- 生成AI(ChatGPT等)を使ったコミュニケーション事例の紹介— 生産者と流通、消費者を結ぶ情報発信や問い合わせ対応の実践例について触れます。
なぜ今、野菜のサプライチェーンにスマート技術が重要なのか
少子高齢化や労働力不足、気候変動による生産変動が進む中、野菜の安定供給と品質確保は喫緊の課題です。機械化・自動化、ドローンやセンサーによる可視化、AIを使った生産予測や出荷調整は、生産側の省力化だけでなく流通側との連携をとるうえで重要な役割を果たします。本セミナーは「生産から流通までの連携強化」をテーマにしており、データを介した実務的な連携設計に関する示唆が得られる点が最大の意義です。
現場で使える、参加後すぐ実践できるポイント
- まずは「目的」を明確にする:収量向上、労働削減、出荷安定化など優先課題を絞ることで機器・システム選定が容易になります。
- 部分導入から始める:全体を一気に入れ替えるのではなく、定植、収穫、モニタリングなど効果が見えやすい工程から試すと失敗リスクを下げられます。
- データ連携の設計を早めに:センサーやドローン、農機からのデータが活用されるにはデータフォーマットや共有ルールが必要です。流通事業者やJAと連携して要件を詰めましょう。
- メンテナンス・運用体制を確立:導入後の稼働率を高めるには保守や操作者の教育が重要です。メーカーのサポート体制を確認してください。
- 生成AIの活用は段階的に:問い合わせ対応や作業記録の自動化などで効果を検証し、精度や安全性の確認を行ったうえで運用に移すとよいです。
誰におすすめか
- 営農法人や集落営農の経営者・現場管理者:導入の意思決定や現場適応性を判断する材料が得られます。
- 個人農家でIT・ドローン導入を検討している現場責任者:具体的な機器のデモや先行事例を直接確認できます。
- 農機メーカーや自治体の技術担当者:地域導入や支援策の設計に役立つ実践知が得られます。
参加にあたってのアドバイス
- 午前の講演は先着80名のため、参加希望者は早めに申し込むことをおすすめします。
- 午後の展示では実機に触れる機会があるため、現場の課題リストや導入したい作業の写真・図面を持参するとメーカー担当者と具体的な相談ができます。
- 生成AIやデータ連携に関する質問は事前に整理しておくと、有益な示唆を得やすくなります。
最後に
本セミナーは、スマート農業を単なる機器導入にとどめず、「生産と流通をつなぐ仕組み」として考える良い機会です。現場に即した機器の性能、データ活用の可能性、そして営農現場が直面する運用上の課題を一度に確認できる場として、実践的な知見を得たい方には特に有益です。興味のある方は北海道大学スマート農業教育拠点のホームページから早めに申し込みください。
詳しい記事の内容はこちらから(引用元)
スマート農業で野菜のサプライチェーンを考える 鳥取大で12月19日にセミナー開催 北大スマート農業教育拠点|JAcom 農業協同組合新聞
https://www.jacom.or.jp/nousei/news/2025/11/251114-85717.php
