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エアーアシストジャパン、休耕田を再び実りの場に。ドローンやAIをフル活用した地域業者の協働で農地再生プロジェクト始動 – DRONE

休耕田を再び実りの場に:エアーアシストジャパンとSky Studio「Torako」が兵庫でドローン×AIの農地再生プロジェクトを始動

公開日:2025年4月30日

目次

概要:地域連携で「委託型スマート農業」を実証

株式会社エアーアシストジャパンは、兵庫県を拠点に活動するSky Studioの「Torako」と連携し、休耕田の再生と持続可能なスマート農業モデル構築を目的とした共同プロジェクトを2025年4月30日から10月1日まで実施します。本プロジェクトは、ドローン・AI・委託型の農作業を組み合わせ、「農業未経験者でも参入できる」新たな農業参入モデルの実証を目指します。

プロジェクトの3つの特徴

  • 委託型スマート農業:トラクター等の重機作業は地域のプロ農家に委託することで、機械の初期投資や運用負担を最小化します。
  • ドローン技術の積極活用:DJI AGRAS T25を用い、種まき、肥料散布、農薬散布の省力化を図ります。機体の搭載能力を活かした現場作業の効率化が期待されます。
  • AIによる生育管理:xarvio(ザルビオ)の過去15年分のデータを活用し、生育状況や水管理の最適化、病害虫発生予測などを行います。可変散布による必要箇所への的確な処置で農薬・肥料の削減にもつなげます。

技術の中身をもう少し詳しく

DJI AGRAS T25 と湛水直播、黒鉄コーティング種子

DJI AGRAS T25は散布・施肥・播種が可能な大型農業ドローンで、広い圃場での短時間作業に適しています。本プロジェクトでは、湛水直播(田んぼに水を張った状態での直接直播)と組み合わせ、黒鉄コーティング種子を使用する手法を採用します。コーティング種子はドローンでの散布や水中での取り扱いを安定させる目的で用いられ、発芽や初期生育の安定化を目指します。

xarvio(ザルビオ)によるデータ駆動の管理

xarvioは気象・土壌・生育履歴などの蓄積データを基に、圃場ごとの生育状況や病害虫リスクの予測、必要量のみを散布する可変散布の指示などを行うプラットフォームです。これにより「経験頼み」の意思決定から脱却し、客観的データに基づく施策で生産性と経営安定を目指します。

期待される効果と地域への波及

  • 休耕田の再生による地域の農地利用率の回復と景観・生態系の改善。
  • 初期投資を抑えた参入モデルにより、都市部や女性、農業未経験者の参入機会が増加し、担い手不足の緩和が期待できます。
  • データを活用した省力化・省資源化で生産コスト低減と環境負荷の低減に寄与します。
  • 自治体や農機メーカーにとっては、農業DXの実証フィールドとしての活用や製品・サービス改良につながる可能性があります。

関係者の声

「空から農業を見てきた私が、初めて大地に足を踏み入れます。『耕さない人が、耕す挑戦』を通じて、農業の未来に新たな選択肢を提示したいと思っています。」

— Torako / Sky Studio

「本プロジェクトは、農業DX・地域貢献・担い手不足解消に直結する大きな可能性を秘めています。空と地上の両面から農業の持続可能性を支えるパートナーとして、全力で支援してまいります。」

— 株式会社エアーアシストジャパン

導入を検討する現場へのポイントと注意点

現場で押さえるべきポイント

  • まずは小規模パイロットでリスクを把握:圃場条件や気象の影響を受けやすいため、小さな区画での実証から始めることを推奨します。
  • データの質と整備:xarvio等のAIを有効活用するには過去のデータや圃場の属性情報の整備が重要です。可能な範囲でのデータ収集体制を整えましょう。
  • 委託契約と役割分担の明確化:トラクター作業を担う地域プロとドローン運用者、圃場管理者それぞれの責任範囲と報酬を明確にします。
  • 法規制・安全管理:ドローンの飛行許可、操縦者の資格、散布に関する法規(農薬取扱い等)や保険の確認が必須です。
  • 天候・季節要因への対応:湛水直播やドローン散布は気象条件に左右されます。代替計画やスケジュール余裕を確保してください。

想定される課題

  • データ依存の限界:過去データが不十分な圃場や、新たな病害発生時にはAIの予測精度が落ちる可能性があります。
  • 地域ごとの調整コスト:農家間の作業調整や収益配分の取り決めには時間がかかることがあります。
  • 初期の運用ノウハウ習得:ドローン操作・データ解析・委託管理の業務フロー構築が必要です。

現場責任者・経営者への提言

  1. まずは自治体や地域のプロ農家と協議し、パイロット圃場を設けることから始めてください。
  2. 技術提供者(ドローン事業者、xarvio等)と長期的な協力関係を築き、データの収集・活用計画を明確にしておくことが重要です。
  3. 労務・保険・安全対策を含めた運用マニュアルを整備し、複数年でのスケーリングを見据えた投資判断を行ってください。

まとめ:地域型のDXモデルとしての可能性

エアーアシストジャパンとSky Studio「Torako」による今回のプロジェクトは、空からの観測と地上の作業を組み合わせ、地域のリソースを活かす「委託型スマート農業」の実証という点で注目に値します。休耕田再生という地域課題に対し、ドローンとAIを組み合わせた実践的なソリューションは、担い手不足や農地荒廃への反撃となる可能性があります。

実証の成果は、同様の条件にある他地域への展開や自治体・農機メーカーとの連携モデルの提示にもつながります。現場で導入を検討する方は、本プロジェクトの進捗と成果を注視しつつ、自分の圃場条件に合わせた小さな一歩から始めることをお勧めします。

取材・執筆:アグニュー編集部

詳しい記事の内容はこちらから(引用元)

エアーアシストジャパン、休耕田を再び実りの場に。ドローンやAIをフル活用した地域業者の協働で農地再生プロジェクト始動 – DRONE
https://drone.jp/news/20251030101522121242.html

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