わさび栽培のNEXTAGE、シリーズAラウンド(2nd close)で2億円の資金調達を実施

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わさび特化のNEXTAGE、シリーズA(2nd close)で2億円を調達—AIとコンテナ型植物工場で生産の安定化を加速

わさび水耕栽培を手がける株式会社NEXTAGE(本社:東京都目黒区、代表取締役:中村拓也)は、2025年9月にシリーズAラウンド(2nd close)として2億円の第三者割当増資を実施しました。引受先は株式会社ディープコアが運営するファンド(DEEPCORE TOKYO 2号投資事業有限責任組合)です。今回の資金は、独自AIを活用した栽培管理システムや栽培技術の高度化、組織体制の強化に重点的に投じられます。

なぜ今、わさびのテクノロジー化が注目されるのか

わさびは伝統的に清流や湧水といった限定的な自然条件でしか栽培が難しい作物であり、生産地の環境変化や栽培者の減少、気候変動の影響で生産量が不安定になっています。一方で国内外での需要は高まっており、供給不足が顕在化しています。

NEXTAGEはコンテナ型の閉鎖環境で水耕栽培を実現することで、気候や立地に左右されない生産を可能にしてきました。今回の調達は、こうした「場所に依存しない安定生産」モデルの実用化・普及をより加速させる狙いがあります。

調達資金の使途(重点投資分野)

  • 1. 独自AIを活用した栽培管理システムの高度化

    • センサーや画像データを用いたAIモデルで温度・湿度・CO2・水質・養分・色相・水位などを自動監視します。
    • 遠隔モニタリングや自動アラート機能の強化により、運用負荷の低減と早期対応を実現します。
    • 生育予測や収量シミュレーションを導入し、計画生産と需給調整を支援します。
  • 2. わさび栽培技術のアップグレード

    • 培養液制御アルゴリズムの改良で、栽培スピードと品質の両立を目指します。
    • 海外市場対応を見据えた長期保存・輸送技術の開発により流通範囲を拡大します。
    • 品質の均一化と安定供給体制の構築で、BtoBや外食産業への供給基盤を強化します。
  • 3. 組織体制の強化

    • CxO級人材を含む開発・営業・サポート・バックオフィスの採用を加速します。
    • 海外展開に向けた現地パートナーとの連携強化を進めます。
    • 生産から販売まで一気通貫で支えるオペレーション体制を整備します。

投資家とNEXTAGE双方の位置づけ

今回の引受先であるDEEPCORE TOKYO 2号は、先進的なハードウェア・ソフトウェアの融合を支援する投資ファンドとして知られています。ディープコア側は、NEXTAGEの技術基盤と事業のスケーラビリティを評価して出資したと見られます。

NEXTAGEはこれまでに培ったエビデンスベースの技術を基盤に、コンテナ型植物工場の普及とわさび関連商品の販路拡大を掲げています。会社側は、今回の資金で研究開発と事業拡大を加速し、「日本古来の食文化を守り、世界へ届ける」ことを目標としています。

農業現場・関連企業にとっての示唆

わさびという高付加価値作物に特化したモデルは、以下の点で中小〜大規模農業経営者やAgTech事業者にとって注目に値します。

  • 栽培リスクの低減:閉鎖環境・水耕による栽培は天候や水資源への依存を低減し、収量の平準化につながります。
  • 技術移転・ライセンスの可能性:培養液制御や画像解析などの技術は他作物にも応用可能で、横展開の余地があります。
  • サプライチェーンの再編:長期保存・輸送技術が確立されれば、国内外の販路開拓が加速し、農業法人やJAの新たな取引機会が生まれます。
  • 投資・協業機会:設備供給やセンサー・制御ソフトを提供する農機・資材メーカー、物流・保存技術を持つ企業にとって協業の余地があります。

留意点と今後の課題

一方で、拡大にあたってはいくつかの課題も想定されます。

  • コンテナ型設備の初期投資やランニングコスト(電力、設備保守など)の削減は重要な課題です。
  • AIモデルやアルゴリズムの現場適用には、センシングの精度向上やデータ品質の担保が必要です。
  • 海外展開では規制対応、現地パートナーの選定、輸送に伴う品質保持ノウハウが鍵になります。

NEXTAGEからのメッセージと採用案内

NEXTAGEは資金調達を通じて、コンテナ型わさび植物工場の普及と、わさび葉・茎・根茎の販路拡大を推進するとしています。将来的にはわさび以外の高付加価値作物への展開も視野に入れ、「日本発の次世代農業モデル」の確立を目指すとのことです。

組織強化の一環として人材採用も積極的に行っており、同社のビジョンに共感する方は以下の窓口からエントリーが可能です。

NEXTAGE 採用・お問い合わせページ

会社概要(抜粋)

  • 社名:株式会社NEXTAGE
  • 所在地:東京都目黒区
  • 代表取締役:中村拓也
  • 事業概要:コンテナ型水耕栽培システムによるわさび栽培、栽培技術・システムの開発
  • 今回の調達:シリーズAラウンド(2nd close)で2億円、引受先:DEEPCORE TOKYO 2号投資事業有限責任組合(運営:株式会社ディープコア)

まとめ

わさびというニッチで高付加価値な作物に特化したNEXTAGEの取り組みは、テクノロジーを通じた食料生産の安定化という観点で重要な実験的価値を持っています。今回の資金調達は技術開発と事業基盤の強化を加速させるものであり、農業経営者、AgTech企業、投資家、自治体・JAにとって協業や導入を検討する良いタイミングになると考えられます。今後のプロダクト進化や実運用での費用対効果、そして市場での受容性に注目が集まります。

詳しい記事の内容はこちらから(引用元)

わさび栽培のNEXTAGE、シリーズAラウンド(2nd close)で2億円の資金調達を実施
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000063114.html

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