スペースシフト、衛星データ×AI解析を標準パッケージ化 — 「遊休農地探索AI」「建物変化検知AI」を正式提供開始
衛星データを用いた解析サービスを提供する株式会社スペースシフトが、従来は個別案件で提供してきた解析ソリューションを体系化し、導入しやすい「パッケージ」として展開を開始しました。第一弾として、自治体や農業委員会向けの「遊休農地探索AI」と、都市モニタリングや資産管理に活用できる「建物変化検知AI」を正式サービス化。料金体系や提供方法を明確にしたことで、現場担当者や業務部門でも導入しやすくなる点が大きな特徴です。
なぜ「パッケージ化」なのか — 導入のハードルを下げる狙い
衛星データ解析は従来、専門知識や個別設計が求められるケースが多く、利用したい組織側から「導入方法が分かりづらい」「費用対効果が見えにくい」といった声がありました。スペースシフトは解析アルゴリズムごとにユースケースを明確化し、成果物イメージ・料金体系・提供方法をパッケージとして整理することで、以下を実現しようとしています。
- 非エンジニアでも導入・活用しやすい標準メニューの提示
- 初期検討の負担軽減(成果物イメージの提示で投資判断を容易に)
- 継続的な運用や他システムとの連携を見据えた拡張性の確保
提供開始の第一弾サービス
遊休農地探索AI
自治体や農業委員会向けに、衛星データとAIを組み合わせて遊休農地や耕作放棄地の候補地を自動検出するサービスです。広域にわたる農地を解析し、遊休状態を色分け表示。調査対象の優先度を可視化することで、現地確認の工数を削減できます。広島県福山市での実証では、調査対象農地を約50%削減した効果が報告されており、現場負荷軽減と行政事務の効率化に貢献しています。
建物変化検知AI
都市部や郊外での建物の新設・解体など地表の変化を自動検出します。光学衛星データに加え、天候影響を受けにくいSAR(合成開口レーダー)データも活用し、広域の時系列変化を捉えることが可能です。不動産・金融機関の資産管理、都市計画、報道の速報取得、インフラ監視など多様な用途が想定されます。
農業現場・自治体にとってのメリット
- 遊休農地の早期発見と優先調査で、現地確認コストを大幅に削減できます。
- 広域かつ定期的なモニタリングにより、耕作状況の変化を迅速に検知できます。
- 既存の営農支援業務や補助金運用、利活用策の検討に必要な情報を効率的に取得できます。
- APIや外部プラットフォーム連携を用いれば、自治体のGISや農業支援システムに直接組み込むことも可能です。
技術面のポイントと導入時の注意点
- データソース:光学衛星とSARを組み合わせることで、雲や季節影響にも対応しやすくしていますが、光学のみの場合は雲覆いによる観測欠落に注意が必要です。
- 解像度と判定精度:衛星解像度に依存するため、極めて小規模な変化や個別作物の詳細判定は地上観測やドローン観測と組み合わせると良い結果が得られます。
- 現地確認の必要性:AIで候補地を絞った後、現地踏査や住民確認を行うワークフロー設計が重要です。実証で示された「調査削減率」は候補抽出による効果であり、完全自動での確定判断ではありません。
- プライバシー・法令対応:土地情報や建物変化を取り扱うため、自治体や企業は個人情報や運用ルールに沿った運用設計を行う必要があります。
価格・提供形態と今後の拡張
今回のパッケージ化に伴い、料金体系と提供方法が明確になっています。単発の解析から定期モニタリング、API連携やUI提供など、お客様のニーズに合わせた柔軟な提供が可能です。さらにスペースシフトは下記の項目を順次パッケージ化・強化していく予定です。
- 土砂崩落・浸水域の自動検出(季節リスクを踏まえ、夏〜秋に向けた提供)
- 収穫量予測や作物モニタリングなど農業向け既存技術の統合
- 2025年8月にリリースした生成AIサービスとの連携(解析結果の自動要約やレポート生成など)
- API提供強化、外部プラットフォーム連携、パートナーとの共同開発
導入を検討する際のステップ
- ユースケースの整理(何を検知したいか、どの頻度で、どのエリアか)
- 初期トライアル(対象エリアでのサンプル解析で期待精度を確認)
- 運用設計(現地確認フロー、システム連携、担当者の役割決定)
- 本運用と継続評価(定期的な精度検証と改善)
関連資料・問い合わせ先
詳細はスペースシフトのリリースや既報をご確認ください。
導入・問い合わせは下記から受け付けています。
- 問い合わせフォーム:お問い合わせフォーム
- メール:pr@spcsft.com(株式会社スペースシフト 担当:竹内・津田谷)
会社概要(参照)
株式会社スペースシフトは「Sense the Unseen from Orbit(地球上のあらゆる変化を認識可能に)」をテーマに、地球観測衛星データのAI解析ソフトウェアを開発しています。インフラ管理、防災・減災、農業モニタリング、環境保全などで衛星データを活用し、持続可能な社会の実現を目指しています。
代表:代表取締役CEO 金本成生/本社:東京都千代田区大手町/設立:2009年12月11日
まとめ
衛星データの実用化は、農業現場や自治体の業務効率化、リスク管理の高度化に直結します。スペースシフトの今回のパッケージ化は、初期導入のハードルを下げ、日常業務に衛星データを組み込むための実務的な一歩になると期待できます。まずはトライアルで精度や運用イメージを確認し、自組織の業務フローにどのように組み込めるかを検討すると良いでしょう。
詳しい記事の内容はこちらから(引用元)
【正式提供開始】衛星データをもっと使いやすく、もっと便利な社会に ─スペースシフト、衛星データ×AI解析を標準パッケージ化 建物変化検知AI/遊休農地探索AIを提供開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000006437.html