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暑さが影響?イチゴに異変 近年は”高単価”のクリスマスシーズンに間に合わない事態 救世主はドローン?ハウスの上から遮光材を塗布 畜産分野にも広がり(テレビ静岡NEWS) – Yahoo!ニュース

ドローンでハウス屋根に遮光材を噴霧 イチゴの“クリスマス需要”守る新対策、畜産でも効果

近年の酷暑でイチゴの生育時期がずれ込み、「クリスマス」の高単価シーズンに間に合わないリスクが高まっています。こうした中、静岡県伊豆の国市で7月26日に実施された、ドローンを使ったビニールハウス屋根への遮光材噴霧のデモンストレーションが注目を集めています。農業分野でドローン事業を展開するソラモが行った今回の取り組みは、営農現場の負担軽減と熱対策の両面で実用性が高いことを示しています。

目次

何をしているのか──ドローンで「屋根に遮光材」を塗る

ソラモのデモでは、太陽光と熱を和らげる遮光剤をドローンでビニールハウスの屋根に吹き付けます。従来は作業者が高さ3〜4mのハウス上に乗って塗布しており、転落などの高所作業リスクがありましたが、ドローン化により安全性が大幅に向上します。

「遮光剤は30年くらい前からあり、光と温度をコントロールする商材だが、人が高さ3~4mのビニールハウスの上に乗って遮光剤を屋根に塗布しなくてはならない。転落の危険性もある高所の危険作業ということもあり、そうした点が1つの課題だったが、最新のドローンを使い人に代わってより安全に正確に散布できないかということで、今回ドローンを使ってビニールハウスの上に遮光剤を塗布する取り組みを始めた」
— ソラモ・清博幸 社長

現場での効果はどれくらいか

  • デモ当日のハウス表面温度は概ね約50℃。遮光材噴霧後は約41℃前後まで低下しました。
  • 遮光材の効果はおよそ2カ月続くとされ、イチゴの適切な生育期間の確保につながる可能性があります。
  • 素材は主に炭酸カルシウムで、一定期間後は雨で徐々に剥がれ落ちるため、現時点で健康被害の報告はないといいます。

イチゴ農家からは「9〜10月の猛暑、0.5℃でも1℃でも下げるようにこれは良い。やりたい、明日にでもやりたい」「自分は去年良かったが、(今年も)同じになるとは思わないので、少しでも暑さ対策をして花芽が早く育てば良いという意味で遮光(剤)をまくことを決めた」といった前向きな声が出ています。

畜産分野でも実証、養鶏で飼育環境が改善

ドローン噴霧は畜産の現場にも波及しています。富士市の平飼い養鶏農園「そらとふじ」では、5棟のハウスで約1,000羽を飼育する施設の屋根に7月に初めて遮光材を吹き付けました。従来は遮光カーテンで対応していましたが、猛暑で食欲が落ち、死鶏も出る深刻な状況がありました。

「去年に比べたら、食べる量も春や秋と変わらず良くなってきている。元気な鶏を見ていたらそれだけで元気なれる、とても良い」
— 平飼い養鶏農園『そらとふじ』鈴木信司 代表

同代表はデータでハウス表面温度が約10℃下がっているのを確認し、体感ではハウス内部の気温が約3℃下がったと述べています。産卵率についてはこれからデータを取る段階ですが、現場の改善は明らかだとしています。

導入を検討する現場が押さえるべきポイント

ドローン噴霧は有望ですが、導入前に確認・準備しておくべき実務的なポイントを示します。

  • 安全性と資格:ドローン操縦者の資格・保険、飛行許可(住宅地や人がいる場所での飛行規制)を確認してください。
  • 噴霧条件の管理:風速や雨の予報、飛行高度、噴霧量の管理が品質に直結します。散布中の飛散を防ぐため、風の弱い時間帯を選ぶことが重要です。
  • 被服・素材の特性確認:遮光材は炭酸カルシウムが主成分とされていますが、粒子径や付着性、耐候性(持続期間)などをメーカーに確認してください。ハウスの透明度や光合成に与える影響(PARの低下)は作物によって許容度が異なります。
  • 栽培スケジュールとの整合:イチゴの花芽分化や開花時期は光量・温度に敏感です。クリスマス出荷を目指す場合、いつ噴霧すれば花芽の生育を損なわず熱害を避けられるか、現場の栽培暦に合わせて試験散布を行ってください。
  • 設備との併用:遮光材だけでなく、換気、被覆資材、遮光ネット、散水など既存の冷却対策と組み合わせて総合的に管理することが有効です。
  • データ測定:表面温度、ハウス内気温、湿度、PAR、収量・品質、収穫時期などを定点観測し、効果の定量化を行ってください。ROI(費用対効果)の把握に不可欠です。
  • 環境・衛生面:鶏舎など畜産施設では粉体の落下が床や給餌設備に影響しないか、鶏の健康や飼料への混入リスクがないかを事前に確認します。

期待される効果と留意点

期待できる効果は、熱ストレスの軽減による品質維持・収量確保、高価な時期(例:クリスマス)への出荷調整、作業員の高所作業削減による安全性向上、畜産における死亡率低下や採餌改善などです。一方で遮光が強すぎると光合成不足や開花の遅れを招く可能性、湿度の変化で病害が発生しやすくなる可能性などもあり、濃度・塗布タイミングの調整が重要です。

まとめと現場への提案

ドローンを使った遮光材の散布は、気温上昇が進む日本の夏に対する現実的な対策の一つです。特に高単価期の出荷を守る必要があるイチゴ生産や、暑さに弱い家畜の飼育環境改善に有効であることが今回の実証で示されています。まずは小規模な試験施工で効果と副作用を数値で確認し、周辺の営農管理(換気、灌水、病害管理)と合わせて導入を検討することをお勧めします。

本件はテレビ静岡の報道を基にまとめました。具体的な施工や性能、法令運用については、サービス提供事業者や自治体の指導、専門家と十分に相談の上で進めてください。

詳しい記事の内容はこちらから(引用元)

暑さが影響?イチゴに異変 近年は”高単価”のクリスマスシーズンに間に合わない事態 救世主はドローン?ハウスの上から遮光材を塗布 畜産分野にも広がり(テレビ静岡NEWS) – Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/5983dca46d0ca8d71557c7ad680698c2a35e2cbb?page=2

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