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愛知県豊橋市が「アグリテックコンテスト」開催、農業課題解決につながるアイデアを募集 | 農業とITの未来メディア「SMART AGRI(スマートアグリ)」





豊橋市がアグリテックコンテスト開催 — 地域課題解決に向けた実証支援と学生部門新設

豊橋市がアグリテックコンテストを開催 ― 農業課題解決アイデアを全国から募集

愛知県豊橋市が、同市の農業課題を解決するアイデアを全国の農業系スタートアップや個人・団体から募集する「アグリテックコンテスト」を開催します。賞金(支援金)総額は1,000万円で、2025年度は新たに「学生部門」を設け、アイデアの裾野を広げます。スマート農業の導入や地域課題に取り組む事業者、自治体、研究者にとって注目の公募です。

目次

なぜ豊橋市で実施するのか ― 地域背景と目的

豊橋市を含む東三河地域は農業が盛んで、豊橋市と田原市だけでも2023年の農業産出額は約1,300億円に達します。一方で、後継者不足や労働力確保、品質管理・出荷調整、環境負荷低減など、営農上の課題が複数存在します。

こうした背景から豊橋市は「未来の農をつくる」をテーマに、2022年度から「TOYOHASHI AGRI MEETUP」プロジェクトを推進しています。本コンテストは地域の現場ニーズと、全国の技術・サービスを結び付けて新製品・新サービスの開発、さらに実証と事業化へつなげることを目的としています。

コンテスト概要(一般部門)

  • 対象:豊橋市の農業関係者が抱える課題解決・改善に取り組む意欲があり、実現のために農業者と連携して動ける個人または法人
  • 賞金(支援金)総額:1,000万円(コンテスト全体)
  • 応募テーマ:エントリー開始の2025年9月22日に公開予定
  • 目的:農業者と協働で新製品・新サービスの実証実験を行い、地域での実装・事業化を目指すこと

学生部門の新設と特徴

2025年度から新設された学生部門は、地域発のアグリテック企業創出を狙いとしています。基本的には豊橋市内の大学の学生、または市内大学の学生を含むグループが対象ですが、市外の学生でも説明会へ参加すればチーム作りのサポートを受けられます。

学生部門の入賞者には、賞金(開発支援金)として総額最大200万円が贈られ、さらに専門家による最大2年間の伴走支援が提供されます。若手の実践的な学びと地域連携が期待されます。

学生向けのオンライン事前説明会は2025年10月8日(水)に開催されます。

応募スケジュール(主要日程)

  • 学生部門応募〆切:2025年10月18日(土)※学生部門はすでに募集開始中
  • 一般部門エントリー受付開始:2025年9月22日(月)
  • 一般部門エントリー〆切:2025年10月20日(月)
  • 事前審査(書類・面談):2025年10月21日(火)~12月中旬
  • ファイナリスト決定:2025年12月上旬
  • コンテスト・表彰式:2026年1月27日(火)@穂の国芸術劇場PLAT
  • 実証実験の計画策定:コンテスト終了後~2026年3月中
  • 実証実験の開始:2026年4月~

参加するメリット

  • 賞金による開発・実証資金の獲得(コンテスト全体で1,000万円、学生部門は最大200万円)
  • 地域農家と連携した実証の場が提供され、現場ニーズに基づく製品化が進められる
  • 自治体・地域関係者とのネットワーク構築、地方展開や事業化の後押し
  • 学生は専門家による長期伴走支援で起業や研究の実践的発展が期待できる

審査のポイント(事前審査の観点)

事前審査は書類と面談で行われます。評価されやすい要素は次の通りです。

  • 地域課題への適合性:豊橋の営農課題に対して具体的に解決策を提示しているか
  • 農業者との連携計画:現場と協働する体制・役割分担が明確か
  • 実証性と実現可能性:短期・中期で検証可能な実証計画や指標があるか
  • 拡張性・事業性:地域外展開や持続的なビジネスモデルにつながるか
  • データとガバナンス:データ利活用・管理の方針が整っているか

提案づくりのための実務的アドバイス

応募を検討するチーム向けに、実務的なポイントをまとめます。

  • 現場ヒアリングを重ねる:現場の具体的な作業フローや負荷、既存システムとの接続要件を把握してください。
  • 定量的なKPIを設定する:作業時間削減率、歩留まり向上、収量増、コスト削減額などを明示してください。
  • 短期のMVPと中長期のスケール戦略:まずは1〜2シーズンで検証できるMVPを提示し、成功時の拡大シナリオを示してください。
  • データ利活用・権利関係の整理:収集データの所有権、利用範囲、プライバシー対策を事前に整理しておくと信頼度が高まります。
  • 自治体やJAとの連携を見据える:補助金や公的支援、流通チャネルの活用可能性を検討してください。

注目しやすい技術領域

豊橋でニーズが高く、現場導入・実証で注目されやすい技術領域の一例です。

  • AIによる生育・病害虫予測、収量予測、品質推定
  • 画像解析を用いた選別・等級判定・熟度判定システム
  • ロボティクス・自動化による収穫・定植・除草支援
  • IoTセンサーによる環境・土壌モニタリングとスマート灌漑
  • データプラットフォーム・生産履歴のトレーサビリティ
  • 労務管理や作業シフト最適化、労働負荷軽減ソリューション

期待される波及効果

本コンテストは、地域の現場課題に適した技術を実地で検証することで、次のような波及効果が期待されます。

  • 現場に根ざした実証による実効性の高いアグリテックの社会実装
  • 地域内での産学官連携の強化と新たなスタートアップ創出
  • 他地域への展開モデルの確立とローカルイノベーションの創出
  • 若手人材の地域定着や農業分野の人材育成促進(学生部門の成果)

参加方法・問い合わせ

詳細や応募フォーム、学生向け説明会の申込などは公式サイトをご確認ください。

TOYOHASHI AGRI MEETUP アグリテックコンテスト(公式サイト)

地域課題に寄り添うアグリテックの実証拠点を探している事業者や、学生の新規事業・研究機会を模索している方にはまたとない機会です。現場ニーズを丁寧に掘り下げ、実証につなげる提案を期待しています。


詳しい記事の内容はこちらから(引用元)

愛知県豊橋市が「アグリテックコンテスト」開催、農業課題解決につながるアイデアを募集 | 農業とITの未来メディア「SMART AGRI(スマートアグリ)」
https://smartagri-jp.com/news/12109

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